外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への道標

ハイクラス転職・就職に関する記事を書いています。

MENU

公認会計士の難易度は東大合格と同等!?合格率や勉強時間で徹底比較

2019年3月27日更新 2017年2月28日公開

公認会計士。それは財務会計のエキスパートであり、医師・弁護士に並ぶ、三大士業の一角として知られています。

公認会計士試験って難しいと聞くけれど、どれくらいの難易度なの?

そういう方のために、本稿では公認会計士試験の難易度について詳しくまとめてみました。

会計士試験の難易度をイメージしやすいように、公認会計士試験の合格率や勉強時間を、東大入試や他の難関資格と比較しています。

知らない方のために先に言っておきますが、この資格、かなりハードル高いですよ笑

それではいってみましょうー!

 

なお、公認会計士ってなんぞ?という方は、下記の記事で復習ができます。

 

◾️ハイクラスの転職なら登録1分、ビズリーチ!
※レジュメ(職務経歴書)を登録すれば、転職成功率がなんと7倍に!

公認会計士試験のおさらい

f:id:To000my:20170823114939j:plain

試験の難易度に入る前に、まずは公認会計士試験について10秒でおさらいをしておきましょう。

公認会計士のタマゴとして監査法人に就職するには、大きく二つの試験を突破する必要があります。

それが短答式試験論文式試験です。

 

短答式試験はマーク形式で、短答式の合格率は17%前後です。

短答式に合格したら今度は論文式を受験するのですが、論文式の合格率は35%前後となっています。

以下から「公認会計士試験」は、短答式と論文式の両方の試験を指しています。

会計士試験の合格率の推移

では早速、その2段階の試験の難易度はどの程度なのか見ていきましょう。

公認会計士試験の合格率はわずか5%!?

f:id:To000my:20190327131127p:plain

この線グラフは、2011年以降の公認会計士試験の合格率推移になります。

出願者数が急減しているように見えますが、これは2006年から一時期の間に合格者数を大幅に増加させた影響です。

その影響も次第に落ち着きを取り戻してきていて、今は1万人の底を脱し、1万2千人に迫るほどに増加しつつあります。

肝心の合格率ですが、論文式の合格率を見ますと2017年度が37.2%2018年度が35.5%となっています。

 

え?「3人に1人以上が受かるなら楽勝じゃん」ですって?

 

ちょっと待ってください!

 

論文式の前に短答式にも合格しなければならないため、ストレート合格を目指す場合はこの数字よりも低くなるとお考えください。

実際にストレートで合格する場合、短答式と論文式のそれぞれの合格率を掛け合わせると、7%程度と言われています。

しかも、受験生はみな2年以上みっちりと勉強をしてきている方たちです。

それでも9割が落ちてしまう試験なのです!

やばいです!

いかがでしょう?

非常に狭き門だということがお分かりいただけると思います。

 

なお、直近では2018年12月9日に短答式試験がありました。

2019年1月に発表されたデータですと、短答式試験の合格率は16.6%(答案提出者数6,610人、合格者数1,097人)となっており、例年の平均を若干下回る合格率となっています。

2017年度の会計士試験の結果については別記事でまとめています。

 

公認会計士試験の難易度は『東大合格よりやや低い』

f:id:To000my:20170415170649j:plain

公認会計士試験の難易度は前述の通り、日本の数多ある資格試験の中でも最高クラスです。

弁護士・医師の試験難易度は言うに及ばずですが、公認会計士も最高難度のひとつとされています。

会計士試験合格までに必要な勉強時間の目安は驚異の3,000時間!

実務経験が必要な三次試験は置いといて、公認会計士補になるにはマーク式の短答式試験に合格した上で、論述式の論文式試験に合格しなければなりません。

ちなみに短答式は年2回の実施、論文式は年1回です。

 

会計士試験の難しさとはなにか。

それは「学習量の多さ」にあります。

短答式では4科目、論文式は6科目あり、一度に全科目を受験する必要があります。

すなわち科目合格制ではなく、総合合格制です。

「今年は半分の3科目合格を目指して、来年で全部の科目に合格するぞ!」みたいなどれかに特化した勉強をすることができないのです。

これが会計士試験を高難易度たらしめている理由です。

 

二次試験である論文式試験の合格までの目安勉強時間としては、およそ3,000時間が必要だといわれています。

個人差はありますが、周囲を見た肌感としても違和感はありません。

 

3,000時間というと、毎日8時間勉強したとして375日が必要です。

365日毎日勉強するというのは現実的ではありませんので、たまに休息を入れたとしても1年半は必要となります。

実際に、合格者の大半は資格スクールの2年コース(実際の学習期間は約1年半)に通って、みっちり勉強して合格しています。

スクールの2年コースに通って合格を目指す場合だと、最初の入門期では一日5時間以上、直前期ともなれば10時間の勉強は必要なのが一般的です。

 

まれに仕事をしながら勉強をしている方もいらっしゃいますが、そういった方だと平日3〜4時間が限界ですので、3年~5年がかりの受験勉強となります。

そうした方は一発合格を目指すのは辞めて、初受験ではまず短答式試験の合格と、できれば論文式試験の科目合格を狙うのがベターでしょう。

論文式合格までいけば、論文式は科目合格になりますので一気に試験勉強が楽になります。

◾️1年コースという鬼畜コースもあるけど合格するのは毎年1人くらい

会計士試験の科目別の勉強時間の目安

では科目別の勉強時間について、少しだけ触れたいと思います。

あくまで私の周りの会計士にヒアリングした内容と、一般論、そして肌感を元に書いていますので、「人による」という点は予めご了承ください。

なお、勉強時間の半分近くは専門予備校の授業時間になります。

  • 簿記:660時間
  • 財務理論:300時間
  • 管理会計:460時間
  • 監査論:340時間
  • 企業法:300時間
  • 租税法:760時間
  • 経営学:250時間

の計3,070時間です。

なお余談ですが、選択科目の一般的な勉強時間は、

  • 統計学:250時間
  • 経営学:250時間
  • 経済学:500時間
  • 民法:450時間

と言われています。

理系なら統計学文系なら経営学を選択するのが戦略的と言えます。

◾️この中で経営学が飛びぬけて簡単だと思う

 

司法試験や東大合格と比べてみた

新司法試験は約8,000時間、東京大学の入学試験は約4,500時間(高校入学以降)です。

勉強時間だけでみると、会計士試験は東大合格よりは若干ハードルが低いと言えそうです。

確かに、東大受験に必要な学習範囲は高校の学習要領の3年分、10科目ほどもありますので難度は高くて当然ですね。

 

一方で同じ会計系の資格で比べると、(就活生が大好きな)簿記2級がたったの250時間と言われていますので、公認会計士の3,000時間がどれほど難関かおわかりいただけると思います。

◾️東大・京大合格の平均勉強時間は毎日10時間48分、早慶上智は8時間36分だそう(ベネッセ調べ)

3,000時間はビジネスマンの1年半

ところで、ここまでお読みになって3,000時間という数字をすごく長く感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、意外とそうでもありません。

なぜなら一般的なビジネスマンは年間約2,000時間働いています(平日245日前後 × 8時間)ので、3,000時間の学習は1年半の勤務と同じくらいということになります。

もちろん「土日祝日は休み・残業なし」での計算なので、案外いけそうに思えませんか?

◾️関係ないけど、仕事で一人前になるには10,000時間が必要

会計士はそんなに頑張って取るほどの試験なの?

会計士がどれだけ難易度が高いかご理解いただけたかと思います。

そうすると、当然こんな疑問が湧き上がってくるのではないでしょうか。

 

会計士って、そんなに頑張って取るほど価値のある資格なの?

 

そうですよね、頑張って取ってもそれまでに費やしたお金や時間が回収できない様な資格だったら意味がありませんもの。

 

しかしご安心ください!

 

新卒(監査法人1年目)で年収500万円ですから、無資格者に比べたら初年度でペイできます。

 

また、有資格者はその後のキャリアにおいても抜群にツブシが効いてきます。

世の中の9割は財務三表がまともに読めないビジネスマンです。

また、上場企業の経営者ですら管理会計を理解している人は少ないです。

だからこそCFOや財務部長、経営企画部長のポジションが公認会計士を求めているのです。

詳しくは過去記事の公認会計士の転職についてをご覧ください。

公認会計士試験と税理士試験、どちらが難しいのか?

f:id:To000my:20170823114935j:plain

短距離走の公認会計士試験、マラソンの税理士試験

公認会計士試験の特徴は、なんといっても全科目同時合格が必要な点です。

受験科目全てに足切り水準があり、その点数を1科目でも下回った時点で不合格となります。

したがって複数科目を同時並行で及第点まで伸ばす勉強をしなければなりません。

 

また、同時合格が必要なため受験者層も独特です。

主な受験生は、時間を持て余していて勉強に専念できる大学生と、受験勉強に傾注すべく無職となった若者たちとなります(もちろん若くない人もいますが)。

どちらにしても勉強期間中は収入を得られない状態を許容せねばなりません。

だからこそ、尻に火がついて猛然と机に齧り付き何が何でも早期に合格せねばならないという強いインセンティブが働きます

 

一方で、税理士試験は科目合格制です。

一つずつ着実に合格すれば良いのです。

簿記・財務諸表論と法人税・所得税、そして選択必須科目を含む5科目に合格してゴールとなります。

当然、そういう試験制度であることには理由があって、単純に1科目あたりの必要な勉強量が多いため、そもそも同時合格は現実的ではないということです。

税理士試験はそういう試験ですので、受験者は基本的に会計事務所や中小企業に勤務している職員や、科目免除を狙う大学院生が中心になります。

試験の側ら収入を得ることが可能ですので、精神的・経済的に安定した勉強が可能です。

 

こうした違いから、「公認会計士は短距離走、税理士はマラソン」と表現されます。

短期決戦の公認会計士には、時間効率の高い勉強法と、合格までの綿密な勉強計画、そして常に万全のコンディションでタスクをこなせる自己管理能力が必要となります。

 

どっちもそれぞれ難しい

ここまで税理士試験との違いを説明してきましたが、ここで結論に移りましょう。

結局のところ、どちらの方が難しいかはポジショントーク。

踏み絵のようなものと考えます。

実際は試験制度が違うからそれに適した勉強スタイルが求められるという、ただそれだけのことです。

必要な勉強時間も大差なく、どちらの難易度が高いのかを論じることが実は不毛なのです。

侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をしているのは、実は税理士と会計士だけで、自分たちの通った道の方こそ険しかった!と言いたいだけなのですね笑。

◾️意味無いと分かってても、会計士と税理士の対比はみんな好物

最後に

ここまで「公認会計士試験の難易度」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

冒頭でも申し上げましたが、公認会計士の資格取得はかなりハードルが高いということがおわかりいただけたかと思います。

 

しかし、難しいからこそそれを乗り越えられた人には高給、社会的ステータスが高い、ワークライフバランスが取れているなどなどの恩恵を受けられるのです。

また、試験が難しいのは単に計算力や思考力、判断力を試しているだけではなく、選考プロセスを通して公認会計士としての覚悟であったり、市場の番人としての矜持、そして重責を背負える忍耐をも見抜こうとしているのではないかと愚考します。

 

道のりは長いですが、決して取得不可能な資格ではありません。

また、たとえ望む結果が出なかったとしても、それまで手にした財務会計の知識はあなたを裏切りませんし、なにより歯を食いしばって机に齧り付いた日々は確実にあなたを強くします

必ず別の形であなたのキャリアの支えとなることでしょう。

あなたも公認会計士、目指してみてはいかがでしょうか? 

エース会計士が実践する華麗な転職法とは?
エリート公認会計士が最短でキャリアアップする方法
データでみる2017年度公認会計士試験
公認会計士の仕事内容をわかりやすく解説
公認会計士になる方法は?
公認会計士の就職事情について
公認会計士はぶっちゃけモテるの?